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鬱病(肝郁気滞型)

肝郁気滞型は種々のストレス、特に怒り、イライラ、精神的な抑圧により起こり、頭痛、胸脇部脹満、季肋部脹満感、易怒などを主症状とするものである。

〈診断〉

・弦脈(が多い)
・季肋部から心カ部にかけての緊張、圧痛、臍の左側(天枢付近)の動悸、硬結、圧痛などを起こしやすい。
・腹証:胸脇苦満、腫れぼったい季肋部。→つまむと非常に痛い(気滞症状)


〈治療〉

太衝、合穴、後ケイ、足臨泣 などから、反応の顕著な穴に対し、写法。
当然、肝経の反応点、募穴、愈穴、関連する経穴を使うことも。


肝郁気滞からの発展性(?)の型

☆肝郁気滞のケースが長引いた場合、肝から脾を傷め、消化器症状を訴えることがある。食欲不振、腹部脹満、便通異常、ガスが溜まりやすい、緊張するとトイレが近くなるなど。

→肝脾不和(肝の疏泄作用の失調から、脾の運化作用に異常をきたしたもの)

この場合、上記に脾経の経穴、関連する経穴反応点を追加する。


☆同様なケースで体質的に胃が弱い人

→肝胃不和(肝郁から胃の受納作用(食物を胃に貯めて消化する)に異常をきたす。)嘔気、嘔吐、ゲップ、しゃっくり、呑酸といった胃気上逆症状。

肝郁の治療に、足三里、胃愈、胃倉を使う。


☆肝が脾を克せず、肺を失調させてしまう場合

→肝気(火)犯肺。ストレスによって突然の喘息、呼吸困難、過度の咳など。

肝郁の治療に、肺愈、中府、尺沢、孔最など、肺経と関連する穴を使う。



ストレスは自分で意識出来ていない人もいるので、脈や腹診、また肝愈、胆愈の1行線に横筋が触知され圧痛がある時など、診断点を発見した時などには、それを頼りに治療に入ることが必要である。
by iwashima89 | 2009-06-04 23:13 | うつ病
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